そしてそれは、体を動かすことによって栄養を補給されているのだ。
ある期間寝たきりなどで体を動かさないと、関節の軟骨がだめになったりするのはこのためだ。
体を動かさずにいると、軟骨の細胞のなかのカルシウムが水を含んだ溶液の状態から固型化したようなものに変わることがある。
そしてこの石灰化現象は不可逆であり、切れた靭帯や折れた骨のようには修復できない。
石灰化とは、軟骨としては最終的に死んだのと同じことなのだ。
鮫のユニークな感覚器官こそ、彼らが餌を集めるのにかけがえのないものである。
どの感覚器官も餌集めのそれぞれの局面で役立ち、餌を逃すことのないように機能している。
もっとも、鮫の聴力は数千メートル、喚覚は数百メートルに及ぶとされているが、視力は15、6メートルしかない。
だが、これらの感覚器官の働きが1つになったとき、鮫は恐怖のハンターに仕立て上げられるのだ。
もっとも驚かされるのは、ロレンッィー二の膨大部と呼ばれる感覚器官だ。
鮫はこの器官を獲物から数インチ(10数センチ)の距離で使う。
この感覚器官は頭の周囲の皮膚の下に感覚細胞の小さな束として位置しており、ほとんどが神経繊維でできていて、近い範囲での電気を感じ取る。
この感覚により、鮫は眼や鼻を使わないでも獲物を発見できる。
このほか、頭や体の両側の皮膚の下にも液体の入った導管が通っている。
これらの側面ラインとロレンッィー二の膨大部、それに内耳が1つの複雑な感覚受容システムをかたちづくっていて、それで水中の音や振動をキャッチして神経刺激に変換できるようになっている。
鮫はこのシステムによって、動きや音を感知するのである。
聴力はとくに鋭く、これでまず最初に、獲物を発見する。
音は水中では空気中より速く遠くへ伝わるので、鮫は1マイル(約1.6キロ)以上離れた場所からの不規則で低い振動さえキャッチする。
純粋な音だけでしかも連続的な音は、鮫の関心をひかないようだ。
このような音は、自由に泳ぎ回る魚などからのものである可能性が高く、傷ついた獲物のものではないから……ということらしい。
毎秒100サイクル(ピアノの最高音より1オクターブ低い)から1500サイクル(ピアノの最低音より2オクターブ高い)ともに原普三の範囲の音が聴ける。
これらの音は、鮫が獲物に近づくにつれて、必要ではなくなっていく。
こうして、1マイル(約1.6キロ)離れた場所の血のにおい、とくに水の流れのなかの血のにおいを、鮫は十分かぐことが可能だ。
何百万ガロンの(1アメリカ・ガロンは約3.8リットル)水にたらした一滴の血液のにおいさえもかげるのだ。
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